バセドウ病の鍼灸臨床① (自己免疫疾患)

バセドウ病とは、首の前にある蝶型をした甲状腺という所が働き過ぎて、甲状腺ホルモンを過剰に作ってしまう病気です。甲状腺ホルモンの分泌が多すぎると、動悸や息切れ、不整脈、微熱などといった症状が出て、汗もかきやすくかります。つまり、何もしないのにまるで運動しているかの様に代謝が盛んになってしまうのです。バセドウ病は若年の女性に多い疾患で、男子の4~5倍の頻度で発症します。特に女性の月経、帯下、妊娠に影響に及ばすので、早めに治療する必要があります。

バセドウ病に罹った当院の患者様は、最初は西洋医学の薬と併用して鍼灸治療を受ける方が多くいらっしゃいます。鍼灸治療は副作用がない為、安心して治療を受けて頂いています。                                        薬の薬疹、肝臓機能障害、手術、放射線治療で甲状腺機能低下などを引き起こす心配もなく、病気の回復を早める事にも繋がっていきます。

今回は西洋医学と鍼灸治療の効果が即座に発揮され良い結果が得られた症例をご紹介いたします。

バセドウ病鍼灸治療
バセドウ病鍼灸治療

バセドウ病は血液中の甲状腺ホルモン濃度を測定することによって容易に診断できます。T3とT4が高値となり、TSHは低値となります。またTSHレセプター抗体(TRAb)は陽性となります。

今回の患者様は令和3年5月末に病気が発覚し、1週間後に甲状腺の専門病院である神戸隈病院を受診され、3か月間「メルカゾール3錠」を服用しながら定期的な鍼灸治療(1週間に1.2回)を併用した所、T3とT4も正常値になり、腎臓、肝臓の数値もほぼ正常値に戻ったとても効果があった症例である。

バセドウ病の原因として考えられるのは、精神的ストレスなどの気滞(気の滞り)、痰(病的な代謝物質)、お血(血の滞り)などです。
東洋医学的に考えると、ストレスで最初に心や肝に熱が発生して、長期にわたると心肝陰虚(心と肝の陰液が消耗される)となり様々な臓器に影響が出て身体のバランスが崩れてきます。

バセドウ病の特徴的な症状として、①眼球突出 ②頸の腫れ ③頻脈 ④多汗 ⑤動悸 ⑥息切れ ⑦手足の震え ⑧月経異常 ⑨体温上昇 などがあります。

なかなか気付きにくい病気ですが、少しでもおかしいなと思った時はすぐに病院に行って検査をしてみましょう。
早期発見、早期治療が何よりも大切ですね。

神戸元町 美笑鍼灸院
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)・粘液水腫(甲状腺機能低下症) 自己免疫疾患 などでお悩みの方はご相談下さい
☎090-5892-8867

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