腰椎が骨折して分離したり、前方へ移動してずれる
腰椎すべり症とは、積み木のように連なる腰椎が前方へ滑り出してしまい様々な症状を引き起こす病気です。
腰椎すべり症は、椎体が前方にずれてくるものを「分離すべり症」と呼びます。椎間板などの変性によって起こる「変性すべり症」とに分けられます。このうち頻度が高いのは変性すべり症です。変性すべり症は加齢に伴い生じ、中年以降の女性に多い傾向があります。4番目の腰椎に好発します。
【腰椎分離すべり症】
背骨の本体である「椎体」と後ろ側で関節を構成している「椎弓」とが分離してしまった状態が『腰椎分離症』です。この状態で放置されてしまうと、分離した部分の腰椎の安定性が失われ、上下の骨にずれが生じてしまいます。このように根本に腰椎分離症があり、その結果腰椎すべり症に移行してしまった状態を『腰椎分離すべり症』と言います。
【腰椎分離すべり症の症状】
症状として、ひどくなると背中の筋肉にも段差が現れ、身体を後ろに反らす動作が益々難しくなります。推骨がすべれば推体の後ろの推孔の脊柱管にもずれが起こり、その中を縦に走る脊髄や馬尾神経が前後に引きちぎられる形になるので慢性的な腰痛だけでなく、お尻の筋肉が痛んだり、脚が神経痛やしびれに覆われたりします。時には排尿コントロールが出来ず、失禁する事もあります。
【腰椎変性すべり症】
『腰椎変性すべり症』は明らかな原因は不明で、多くは加齢とともに椎間板や靭帯、関節など腰椎を固定している組織が変性を起こし、腰椎にずれが出現します。このように徐々に腰椎が変性を起こし、その結果発症したすべり症を『腰椎変性すべり症』と呼びます。高齢で発症し、女性に多いです。
【女性が腰痛を起こしやすい原因】
女性の骨盤は、「妊娠・分娩」に適する為に扁平で幅広くなっています。この構造は「妊娠・分娩」に適していますが、直立歩行に適しているとは言いがたい。直立歩行時にバランスを取る為、腰部の筋肉、靭帯にストレスがかかりやすく、慢性疲労の原因となり、腰痛を発症してしまうのです。
女性の骨盤内腔臓器は男性に比べて複雑であり、様々な装置で固定されています。したがって、これらの装置の異常に起因する「子宮後屈」や「子宮脱」などが発症すると腰痛の原因にもなります。
また、女性の生殖器の構造(尿道が短いなど)は男性に比べて感染を起こしやすく、炎症が子宮からその周囲へと広がりやすく、これもまた腰痛の原因になります。
更に女性の骨盤内の静脈の発達は複雑で、充血やうっ血を起こしやすい上、リンパ系の発達も良いためにリンパ節の腫脹も起こしやすいのです。 性器腫瘍(子宮筋腫、卵巣嚢腫)による周囲の神経への刺激も腰痛の原因となります。
【鍼灸治療のポイント】
適度な運動、体操により筋力を増強するなどの予防がとても大切になってきます。 すべり症は分離症同様にコルセットなどで固定し、動かさない事、負担がかからないようにする事が大切です。
鍼灸治療では分離によって負担のかかっている軟部組織の靭帯・筋・筋膜などの筋緊張緩和や、痛みを軽減させたり、お灸の効果としてあげられる白血球の増加によって骨折の回復を促すことに繋がります。
ここが痛いというピンポイントに対しては、鍼灸治療が得意とする効果的な治療法があります。
神戸元町 美笑鍼灸院 腰痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・すべり症でお悩みの方はご相談下さい☆ ☎090-5892-8867